砂上ノ楼閣

時の糸で飾られた
人形の住処-すみか-は
砂時計の砂の上、美しきMUSEUM
ショウケースの鍵が
錆びついてしまって
壊れていたことにさえ
気付かずにいた
留-とど-めていた時間は
サラサラと崩れていく
一粒に閉じ込めた追憶は
黄昏にゆっくり溶けていく

描いていた完璧が儚く消えるとき
硝子のなか満ちていたメロディーが
溢-あふ-れた
面影はないのに
懐かしい歌声
静けさに響き渡る
想いの全て
落陽に照らされたビードロの瞳の奥
輝きが灯るなら、
永遠という夢に告げよう
...さよならを

嗚呼...ただ砕け散るだけでも
刻むのは疵-きず-じゃない
抱えた想いの全て
留-とど-めていた時間は
サラサラと崩れていく
一粒に閉じ込めた追憶はこの胸に
幻想の砂の上、美しきMUSEUMに
糸のない人形の重ねた歌声は
静かに響いてく
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